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一昨日の夜から少し心が虚ろだ。
日本が南アに敗れて、ラグビーW杯ベスト4の道が断たれてしまったからだ。
(◯◯ロスという言葉は軽くて嫌いだが、確かに「ジャパンロス」の心境だ)
4年前のW杯のジャパンも素晴らしかったが、今回はそれ以上に素晴らしいチームで、創造力があり、観ていて面白かったし、激闘でも耐えて勝ち切る力があった。
初戦のロシア戦の最初こそ地に足が着いていなかったが、その後は、アイルランド戦のジャイアントキリング、サモア戦の勝利(途中までは結構接戦だった)、スコットランド戦ラストの死闘(防御のタックルが凄かった)で4戦全勝でベスト8に進んだ時は、次も勝って、残り2試合、最後まで楽しませてくれるかと思ったのだが・・・
だが、本当に凄い、ジャパン最強のチームだった。そして美しいチームだった。
なぜ、これほど日本が強くなったのか。
その理由はいろいろあるが、一番の理由は、目的を明確にして、そのために最大限の努力を惜しまなかったことだろう。つまり、ベスト8とハードワークだ。
これは前回大会のエディー・ジョーンズHCが掲げたものだが、(前回、南アに勝ったにも関わらず、スコットランドに負けて、3勝1敗で並び、ボーナスポイントの差でベスト8に行けなかったので、)今大会のジェイミー・ジョセフHCの元、さらに凄いハードワークを行った。
エディー・ジャパンの朝から晩までスケジュール通りに行うハードワークの厳しさは超有名だが、ジェイミー・ジャパンはそれを超えてたと言うのだから、壮絶だ。
(私も大学時代、同好会で山中湖と菅平で合宿した経験があるが、地獄だった。
その比でないのは明らかだから、彼らは人間ではない。ウルトラストイックな夢追い人達だ)
また、選手のインタビューに「犠牲」という言葉がよく出てきた。
それはハードワークのために自分の時間や家族らとの時間を犠牲にし、会社や周囲の人にも多くの犠牲をしいたという意味の他に、ラグビーというスポーツが多くの自己犠牲の連続の末に一つの果実(トライ)を得るスポーツだというのを本能的に感じているからだろう。だから、トライを取ると全員が集まって喜ぶ。
真にONE TEAMで、美しい。
そして、ラグビーの特質だが、試合が終わるまではほとんど格闘技やルールのある殺し合いに近いが、終わると(たぶん、カタルシスで)敵味方が無くなり、お互いをリスペクトする。これまたとても美しい。
世界で最高に美しいチームの試合をこれ以上観ることのできないのは残念だが、
まだ世界最高のチームが4つ残っていて、残り4試合の最高のゲームが観れる。
心ゆくまで楽しみたい。
かずま