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2018年 11月 12日
中学時代の友人たちと四国を旅行した。 きっかけは4月に亡くなったI先生で、その通夜の席で、4年前に岡山・倉敷ツアーをした面々から、もう一度みんなで旅行しよう、今度はKとTのいる四国がいい、ということになり、それが実現したのだ。 期間はロング、ノーマル、ショートの三種類で、私は幹事のT君と共にロングで旅した。 7時45分羽田発高松行きの飛行機に乗ると、11時には直島に着いた。早い! 直島は江戸時代は天領で人形浄瑠璃が盛んだった由緒ある島だが、近年は銅の精錬で栄え、それと同時に煙害で島の緑もやられた。現在はそれも復元し、ベネッセが推し進めるアートによる観光リゾート地へと変貌している。 そのせいか、フェリーから降りてくる人もアート目当ての観光客が多く、しかも日本の他の観光地と違って、ヨーロッパ系の人が多い。 また、直島は建築的にも見所が多く、石井和紘、安藤忠雄、SANAA、三分一博志、藤本壮介らの作品が点在する。 一泊で全てを観るのは不可能だが、大体の雰囲気はわかった。 三分一博志の直島ホールの大らかな空間はよかった。 タレルの2つの作品も知覚を呼び覚まされるようで、とてもよかった。 もう一度来たい。今度は隣の豊島や犬島、小豆島も含めて、島廻りがしたい。 翌朝、家プロジェクトの作品を3つ観て、フェリーで高松に戻り、讃岐うどんを食べて、琴平に向かった。 今回のメンバーのほとんどと合流し、みんなで金毘羅さんに登った。(椎間板ヘルニアの手術をして間もないA君も登ったので、びっくり!) 実は金毘羅さんに登るのは今回で3度目だ。父方の祖父が高松の錦町でお菓子屋さんをしていたので、高松には小さい頃から何度も来た。当然、金毘羅さんにも登った。 だが、いつも本宮(785段)までだったので、今回はその先の奥社(1368段)まで登った。おかげで絶景が望めた。 帰りに本宮まで戻ると、下りの帰路は行きとは別にある。年始の参りなどで混雑するのを避けるためだろう。ふと見ると、コールテン鋼でできた特徴的な階段と建物が一段低い位置にある。鈴木了二の作品だ。奥社まで登るといろんなご褒美がもらえる。 ホテルに戻って汗を流し、みんなで宴席の飲み屋に行った。近況を語り合いながら、4年前の岡山・倉敷ツアーの宴席を思い出した。I先生はいないが、和気藹々とした空気はあの時のままだ。 時間が来たので外に出て2次会場を探したが、シーズンではないせいか、どこも終わるのが早い。しょうがないので、酒と摘みを調達して、ホテルのK君の部屋で夜遅くまで2次会した。 次の日はT君のワゴン車で、小歩危(こぼけ)、大歩危(おおぼけ)を廻り、祖谷(いや)のかずら橋渡りに興じながら、高知に入った。 最初に赤岡の西川屋に行った。ここは土佐藩主に菓子を献上していた400年の歴史を誇る名家で、2階は古い建物を改造して資料館になっていた。1階も奥は庭を見ながらゆったりした気持ちでお茶と銘菓を味わうことができ、ふと京都にいるような気分になった。 ここでハプニングが起きた。T君が穴の空いたホウキの柄で尺八代わりに「春の海」を吹いたのだ。これには店に来ていた客がびっくりで、演奏後は拍手喝采だった。 次にすぐそばの絵金の絵を収蔵している絵金蔵に行った。 土佐の絵金のことは前から知っていた。どす黒い赤の血飛沫の芝居絵で、幕末に花開いた異端の絵師だ。だが、彼が最初は江戸に出て、狩野派の絵師からスタートし、土佐に戻って御用絵師となるが、ある嫌疑から失脚し、在野に下る、という話は知らなかった。 こうした流転が影響したのだろうか、実際に観る絵金の筆さばきは捨て鉢なくらい大胆で、一気呵成に描かれている。浮世絵と同じく芝居の題材を扱っていながら、洗練とは対極の、土着的で本能的な絵だ。晩年は少し筆も鈍るが、多くの人が絵金に屏風絵を頼んだという。 私は絵金に、そして絵金を愛した土佐の人々に、愛を感じた。 その後ホテルに着き、亀次で土佐の新鮮な魚料理に舌鼓を打ち、ひろめ市場で熱気に煽られながら2次会、それを冷ましに屋台で3次会をし、12時近くに寝た。 最終日はみんなと別行動して、五台山にある牧野植物園に行った。 内藤廣の牧野富太郎記念館を見たかったからだ。 内藤さんは大学の研究室(吉阪研)の先輩で、勤めた事務所(菊竹事務所)の先輩でもある。私とは違って、大きな建物やプロジェクトを数多く手がけているが、中でも牧野富太郎記念館は、内藤さんのやんちゃな部分とカチッとした部分が上手く合わさった傑作だ。 植物園の前にバスが停まり、降りるとすぐに高知に自生する草花たちが迎えてくれる。その一つ一つに名札が付いていて、見ているうちに興味が湧き、まるで牧野富太郎になったような気分になる。 エントランスに到着すると、丁度、ガーデンツアーが始まるところだ。ラッキーと思って参加した。ガイドは植物園の栽培技術課の女性で、やたら詳しく、話も上手い。園内の野生ギク巡りがテーマだが、その他のことも話し出すと次から次へ止まらない。牧野愛、植物愛に溢れている。また、ツアーの参加者も(私以外は)皆植物の知識が豊富で、聞いてて、だんだんリトル牧野になって行く。 結局、1時間半余りツアーに帯同したが、興味に火が着いてしまったので、そのまま次の、今日がデビューの「新米ガイドの驚き発見」ツアーにも参加した。これも初々しく、たどたどしい所が私には丁度よく、とても馴染めた。 気が付いたら、帰りのバスまで1時間もない。慌てて温室から記念館に戻り、本館と展示館を見て、牧野富太郎の生涯を描いた本を買ってバスに飛び乗り、リムジンで空港に間に合った。 帰りの飛行機の中でもずっと牧野富太郎を読んでいた。結局、建築はあまりよく見ていない。南無三、また来るか! この旅行が始まるまではムシャクシャしたことが続き、心穏やかでなかったが、始まってからはそんなことは忘れて無心で旅を楽しむことができた。それができたのも、一緒に旅した仲間が何の利害関係もない中学時代の友人達だったからだ。おかげで昔に戻って、純粋に笑い、驚き、話をしながら、旅を楽しんだ。 良き友たちに感謝したい。 かずま
by odysseyofiska
| 2018-11-12 19:48
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