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2016年 05月 18日
![]() 将棋界最高の頭脳と言われる羽生善治が世界各地を取材し、人工知能(AI)の最前線の研究をリポートするという内容で、とても興味深かった。 私は日曜日に家にいる時はだいたいTVのプロの将棋か囲碁を観る。時には両方観る。そして選ばれし者の才能の凄さに感嘆し、畏敬の念を持つ。 だが、昨今はその牙城を崩すどころか追い越す所までAIは来ている。 特に驚きだったのは、グーグルの開発したアルファ碁が囲碁のイ・セドルとの五番勝負で4勝1敗と圧勝したことだ。 イ・セドルと言えば、囲碁好きなら誰でも知ってる世界最強棋士の一人で、世界ランキングは常に一桁台の碁打ちだが、その彼に圧勝したのだから、AIが既に囲碁のトップレベルにあることは間違いない。
しかもイ・セドルが言うには、途中から普通の定石とは異なる手を打たれてその意図が2、3手後にわかるというシーンが度々あったという。将棋の山崎隆之や屋敷伸之も似たようなことを言っている。 アルファ碁は計算速度で勝負するのではなく、<人間が打った>棋譜を数千万局読み込むことで<人間のように>絞った手に集中して展開を予測するAIで、かつアルファ碁同志で囲碁をすることによって新たな定石を開発し、それをイ・セドル戦で用いたのだ。1敗はイ・セドルの絶妙手がその予測の中に無かったため、以後暴走したらしい。 いずれにせよ、AIの出現で囲碁も将棋もこれまでの定石が覆され、新たな定石が生まれる段階となった。 番組ではこれ以外にも、ガンを画像から精緻に見分けるAIや、AIに感情を持たせる研究などがリポートされた。そして倫理観のないAIを悪意に用いた場合の危険性やその暴走をいかに押えるかなど早い段階でのコンセンサスの必要性を訴えていた。 最後はレンブラントの技法をマスターしたAIによる350年ぶりの新作(贋作?)が披露された。 見終わって軽い閉塞感を覚えた。 精緻で高度な便利さの追求の末に世界がどんどん狭くなり、人間の居場所がなくなって行く。 だが、ここに一つの光明がある。AIには無い、逆の方向の力、おバカさん力だ。 人類の歴史はなにもすべてお利口さんがつくってきたわけではない。特に芸術や芸能の分野では「他とは違っている」ことが大きな起爆剤となり、新しい文化や潮流が生まれてきた。ピカソやゴダール、マリリン・モンローやオーネット・コールマンがいなければ、世界はどんなにつまらないものになっていただろう。 スポーツもそうだ。スポーツは能率や効率とは逆のルールをつくって、その不自由さの中に快楽を見出し、夢中になり、結果的には何も生産しない。だが、精神や感情を鍛え高め、それ以上の効果をもたらす。だから結果的には産業以上の巨大なマネーを生み出し、人々を熱狂させる。こういうどこかおバカな、タガのはずれた感覚はAIにはない。 その究極は人を好きになる行為だ。ある日、ある時、ある瞬間に何かが化学反応して、それまで何ともなかった感情が突然好きという感情に変わる。この曖昧で、偶発的で気まぐれな、だけど人間に絶対不可欠な不思議な感情は(擬似的にはできても)本質的にはAIにはない。それは合理とはまったく関係ないものだからだ。 こうやって見ていくと、人間世界の半分かそれ以上の部分が不合理か非合理でできていることがわかる。合理的であることや効率的であることばかりが価値のあるものでないことも自然とわかる。 未来はもしかしたらおバカさん力がお利口さん力よりも尊重される社会なのかもしれない。そう考えると、未来もすてたもんじゃないな、とだんだん愉快になってきた。 イ・セドルの仇は私がいつか打とう。 もちろん、AIには絶対負けないおバカさん力のゲームで・・・ かずま
by odysseyofiska
| 2016-05-18 21:06
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