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2015年 02月 14日
![]() 上手く行かないどころか、最悪の事態になることさえ時にはある。 だが、それを最悪の事態と悲観するのか、逆にこんなことは滅多にないのだから、それを経験できる俺はラッキーだな、と思えるかで見え方はまるで違ってくる。 それを一番強く感じたのは30の時の9ヶ月間に渡るヨーロッパ放浪の旅だ。 バルセロナに着いてすぐに重要な物すべてを盗まれたが、それから復活する過程やその後(パスポートの再発行のために)行く羽目になったマドリードでの生活、ツェルマットで滑落し九死に一生を得たこと、モロッコのフェズで周りを囲まれピンチに陥った事件、ポルトガルのカスカイスで日焼けで死にそうになり這々の態でパリへ戻った失敗、フィンランドのヴォクセンニスカで教会を見に行った帰りバスをずっと待ってて凍死しそうになったこと等々、今から思えば貴重過ぎる出来事ばかりで、それらがその後の私の人生に与えた影響は計り知れない。 おかげで忍耐強くなったし、人生も豊かになった。 先日もマニラでの仕事の行き帰り、似たようなことがあった。 まず、成田でトラブった。クライアントから渡されたeチケットの帰りの便が(予約は確認できているが)支払いが確認されていないので行きの便の発券はできないとカウンターで言われた。こんなことは初めてなので理由を聞くと、帰りのチケットが無いと空港で強制送還される可能性があるからだと言う。 おもしろい。強制送還なんて人生初体験だ。その時は自腹で払うから何しろ向こうでのミーティングに間に合うよう発券してくれと言っても、規則だからの一点張りで埒が明かない。
連れのスタッフは同じチケットで先に入ってるのになぜ?と訊くと、それはこちらのミスだから場内アナウンスで連れ戻すと言う。やれやれ、とんだとばっちりだ。 時間がどんどん過ぎて行くので、じゃ、どうしたら発券できるの?と訊くと、マニラから香港行のチケットを今ここで購入すればできる、そのチケット代は後で全額返還できるがそれにかかる手数料は戻らないと言う。いやはや、ボロい儲けだ。 仕様がないので、二人分のマニラー香港行のチケットを買って中に入った。 始めはムシャクシャしたが、飛行機に乗り、ウィスキーのロックを飲みながら空の上の雲を見ていたら、いつしかそれも忘れてしまった。 マニラの空港では「滞在は何日間か?」とだけ訊かれた。「3 days」と答えると、サッと外に出れた。 ほら見ろ、JALめ!! マニラに来たのは、マカティのど真ん中にあるハイテクビルの中につくっているビューティーサロンの現場監理のためだ。 昨夏来た時に現調、打合せをし、模型と図面は8月、9月にすべてを送った。 テンポラリーの店は12月にオープンし、今回はそのファイナル部分をチェックするために来た。 だが、現場に来てびっくり!ファイナルは何も手つかずの状態で、日本から送られたエステとヘアサロンの機材が山となっている。テンポラリーも送った図面とは関係ない場所のスラブに穴が開けられ、配管されている。 まあ、フィリピンではよくあることだと気を取り直し、スラブ下のキャットウォークが見たいと現地のスタッフに言う。するとマジか?という顔をするので、マジだという顔をし、梯子を上り、内部を見た。とても汚くひどい造りだ。外面はハイテクだが、こういう所はずさんでローテクなところがフィリピンだ。 建物の所有者側のエンジニアとの打合せもしてない状況だったのでそれも急遽お願いし、こちら側の要求を伝えた。何だかんだ言って、責任感のある奴がいないのがフィリピンの最大の弱点だ。だから行く度にこうしたダイ・ハードのような仕事までする羽目になる。 ![]() 最終日の朝は早起きしてスタッフのH君を叩き起こし、いつものようにフィリピンの現地スタッフに説明するための成果物の清書をし、10時頃、遅い朝食を取った。 その後クライアントのMさんの来るのを待ったがなかなか来ず、フライトの3時間前くらいにやっと到着した。急いで成果物の説明をし、往復チケットをもらって空港に向かう(はずだった) だが、Mさんがホテル内に新しくできたレストランでランチをしようというので、一緒にランチをした。ホテルを出たのはフライト2時間前を切っていたが、このくらいならざらに間に合ってたので、その時はそれほど気にしなかった。だが、トラフィック(渋滞)に巻き込まれた辺りから雲行きが怪しくなり始めた。 空港には40分くらい前に着いた。急いでJALのカウンターに行った。 だが、何とカウンターがない!!(正確には工事中で、白いテントで覆われていた) 空港のスタッフに聞くと、JALは工事中だから今日は飛ばないと言う。 そんなわけないだろう!! 仕方がないので他の空港スタッフを見つけてJALの臨時カウンターの場所を聞き出し(3階の一番遠い場所だった)とにかく交渉する。 この時点で20分くらい前だったから内心諦めていた。案の定、今日はもう締め切ったが、明日の午後便なら乗れるがどうするか?との返事。他の航空会社で今日中に成田に戻れる便はあるかと訊いても、他の航空会社のことはわからない、と梨の礫。 Mさんに電話して事の次第を伝えると、キャセイの夜便を手配するから一旦ホテルへ戻れとの指示。で、そうした。 ホテルに着く直前にランドセル(バックパック)をJALの臨時カウンターのソファに置き忘れたことに気付く。中には重要なものが皆入っている。バルセロナの記憶が頭にチラつく。だが、電話すると幸運なことにランドセルはあった。 ラッキー!俺はまだ神様に守られてる。 Mさんが何か食べるか?と尋ねる。ウ~ンと唸っていると、勝手にハロハロを頼んで、それが出てくる。凄い量とクオリティだ。さすがにペニンシュラのハロハロは違う。食べ終わると満腹になった。 Mさんから新しいeチケットを貰い、再び空港に向かう。JALの臨時カウンターでランドセルを受け取り、キャセイが飛び立つ第3ターミナルに向かう。第3ターミナルは新しいターミナルで初体験だが、他の2つより遥かに洗練されてる、というか、フィリピンが国際レベルの空港を持つことで対等になろうという意識を強く感じる。だが、たとえボロくても、私はフィリピンらしい造形の古い第1ターミナルが好きだ。 離陸までには時間があったのでラウンジで酒を飲みながらH君とバカ話をし、時間を潰す。 キャセイは昔初めて香港に行った時以来2度目だが、格段に良くなっていた。ビジネスは皆個室に仕切られ、機内で聴けるJazzのメニューは古いのから新しいのまで30アルバムくらいある。それを聴いてるうちに香港に着いた。 トランジットで2時間くらい待つ間、フォスターの設計した空港内を見学した。意外と単調でつまらない。一番ダメな点は香港を少しも感じないことだ。ただデカいだけで繊細さに欠ける。こういう無国籍な空港なら誰にでも設計できる。そこから先が建築の本当の勝負だ。 再び飛行機に乗り、成田に向かう。聴き残したJazzを聴いてるうちに疲れで眠ってしまった。ふと目覚め、窓の外を見ると、真っ暗な中にぼんやりと青い光が見える。 朝が生まれる瞬間を見た。やがて飛行機は成田に降下し始めた。 人生はすべてがおもしろい。 かずま
by odysseyofiska
| 2015-02-14 22:51
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