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2014年 10月 10日
![]() 事務所のメンバーと横浜へ行き、トリエンナーレと黄金町バザールの会場を歩いた。 3年前にも同じようなことをしたが(→2011.11.4)、今回は横浜全体を歩いて見ることにした。横浜は由緒正しい古い建物がたくさん残っていて、それらが上手にリノベされ、街に新たな活気と魅力を加えている。(明日から2日間催される横濱JAZZ PROMENADEでも言えることだが)街中を歩くことで街全体が美術館やワクワクする場へと変身する。 こんな街は滅多にない。 トリエンナーレのメイン会場である横浜美術館と新港ピア以外にも、倉庫を改造したBankART Studio NYKや、横浜港発祥の地である象の鼻パークにあるテラス、急な坂スタジオなど魅力的な会場はいっぱいある。中でも私が一番好きなのは旧第一銀行横浜支店をリノベしたYCC(ヨコハマ創造都市センター)で、展示されてるアートもさることながら、その清楚で美しい空間にいつも見惚れてしまう。この場に佇んでいると澄んだ気持ちに自然となるから不思議だ。 以前来た時もおもしろい作品に出会ったが、今回も2400枚の白黒写真をタペストリーのように並べ吊り下げたヤン・スンウーの「青春吉日」はおもしろかった。 また、情報センターに並んでいた机やイスは組立式の段ボールでできていて、とても気が利いていた。 その後、黄金町に向かって歩いていたら突然、砂でできた彫刻群に出会った。 その精度たるや凄い!の一言だったが、なんと!「先日の台風18号で甚大なダメージを受けたため展覧会は中止になりました」との張り紙がしてある。 こんな所に台風の余波があったとは・・・ちょっと絶句した。 やがてお目当ての「黄金町バザール2014」の会場に着いた。以前来た時おもしろかった竜宮美術旅館が無くなっていたのは残念だったが、日ノ出スタジオを皮切りにスタンプラリーをしながら多くの若い作家達のアート作品を観て廻った。 iPadで操縦しながら車が走る軌跡をトレースして行く作品は(単純と言えば単純だが)自分ではなく観客がつくる作品で、おもしろかった。会期が終わった時にはさぞかし込み入った線が並んで、ジャクソン・ポロックの絵のようになっていることだろう。 プラスターボードの壁を(その部分だけ厚くして)掘込んで、その上からフィルムを貼ってつくった鳥が壁面を飛んでるような作品もおもしろかった。単なる絵が壁面まで広がり、建築的だなと思った。 だが、私が一番惹かれた作品(というか場)は単なる空家だけの空間で、そこにはワープロで書かれたA4の紙が4枚貼られていた。それを読むと、作者は「アートによるまちづくり」によってかつての黄金町が持っていた闇の部分が隠蔽され、ただ明るく漂白されることに矛盾を感じ、隠蔽ではなくむしろ闇の顕然化を図ろうと考えたが、主催者の志向や住民感情との間に隔たりを感じ、さりとて有効な手段が見つからなかったので、このように自分が去った後の空家を展示したという意味のことが書いてあった。 これを読んで作家の良心を感じた、というか自分に正直であろうとする潔癖さを感じた。それはかつて私がバラックを片っ端から見て歩きながら、それらが消滅して行く際に感じた微妙な感覚を呼び起こしてくれた。 隠蔽したり漂白するだけでは心に何も残すことはできない。 やはり私達は黄金町や日ノ出町が背負った横浜の影の部分を深く記憶する必要がある。 日本が戦争で負った傷とも共通する何かだ。 そうでなければ、今回のテーマである「仮想のコミュニティ・アジア」は単なる偽善か絵空事で終わってしまう。アートはただ快いものでなく、もっと深いはずだ。 外に出ると夕暮れの大岡川が眼前を流れていた。 この川はきっとすべてのことを見て知って、だが淡々と流れているのだろう。 すべての作品を観終わり、さすがに疲れた。 駅前で休息して冷たい飲み物を飲みながら軽い雑談をし、散会した。 かずま ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
by odysseyofiska
| 2014-10-10 21:19
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