11月の後半の3連休を使って事務所の引越をした。
とても大変だった。
しかも仕事は継続しているので、片付けはなかなか進まない。
特に片付けの下手な私の席の周りは段ボールの山で一杯だ。
忘年会までには片付けないとパーティができないので何とかするつもりだが・・・
引越で箱詰めしていた時に歴代のスタッフや学生達のスケッチが出て来た。
私が愛着があり、取っていたものだ。
自分のスケッチなら平気で捨てられるのに、どういうわけかこういう類は捨てられない。
結局、新しい事務所に持って行くことにした。
私は特にスケッチへの偏愛が激しい。トレースされた手の動きの中に、いろんな感情や閃き、頭脳の軌跡を感じる。稚拙だとか上手だとかは関係ない。Somethingがあるか、ないか、グッと来るか、来ないか、愛しているか、いないか、がすべてだ。
同じことは手書きの文字にも言える。印刷された文字には感じないが、手書きの文字にはその人の性格や感情の豊かさ、理性までもが感じられる。だから、手紙や葉書は捨てられない。
同様に旅先でふと感じて買った小物や何かの機会に残った小物は(他の人にはガラクタにしか見えないだろうが)私にとってはその記憶を鮮やかに思い出させてくれる装置であり、インスピレーションの源でもある。なので捨てられない。
かくしていつのまにか私の机の周りだけおもちゃ箱をひっくり返したような光景となり、他のメンバーからの冷たい視線を浴びる。
神宮外苑に移って一番のお気に入りは窓の外の景色だ。
丁度トイ面のビルだけ背が低いので、すぐそばの神社やお寺、青山高校、(その影に隠れて秩父宮ラグビー場は見えないが、)神宮球場のスタンドの一部や色づいた銀杏並木の一部が見える。伊藤忠のビルや青山ツインタワー、その向こうの高層ビル群を見ていると、改めて都会にいるんだなと感じられる。特に夕暮れから夜にかけてダイナミックに変化する光景は表参道にいた時には感じられないものだ。
私は昔から窓際族に憧れていたが、やっとそうなることができた。
仕事の合間にボーッとしながら、それらを眺め、楽しんでいる。
昨日は昼飯時に絵画館前の銀杏並木に行き、散策した後、ベンチで陽の光を浴びながらみんなで食事をした。
この場所に移ったことによる特権で、都会の自然の良さを改めて感じた。
しばらくは暇を見つけてはこの街を探索し、
新たな気持ちですべてを楽しみたい。
かずま