
先日、三田の建築会館に久しぶりに大学の研究室の歴代の面々が集まった。
先生のご長男の経営する「アゴラ」がもうじき無くなるので、じゃ、有志で集まろうか、という年末の忘年会の話が発端だったのだが、蓋を開けてみたらOBOGの総会のようになり、壮観だった。
参加者にはいろんな大学の先生や研究者、有名建築家がたくさんいる。だが、先輩、後輩、同級生に囲まれると皆学生時代の仲間に戻ってしまい、子供のように和気あいあいと楽しい時間を過ごした。
思えば、ヨシザカが1980年末に亡くなって以来、多くの月日が過ぎた。
その間に彼の全集や関連書籍を刊行したり、展覧会やシンポジウム、イベントなど数々の催しをみんなでおこなってきた。そうすることで吉阪研究室は、ヨシザカの率いる研究室からヨシザカを研究する研究室(人の集まり)へと変貌していった。そして今、その成果を基に新たな段階に入り、若い人々へバトンタッチしようとしている。
一昨年「吉阪隆正賞」が設けられ、昨年その第1回の授賞者が決まった。
2つのシンポジウムを聴いたが、どちらも20代の若い学生の熱い眼差しが印象的だった。ヨシザカがレジェンドになったことを感じた。
だが、それではダメだなと思った。
単に神様に祭り上げるのではなく、生きた生身の教材としてこれからも何度も立ち返り反芻できる存在であって欲しいと強く感じた。
私がヨシザカのBlogを単独でも立ち上げようと思ったのはそうした理由からだ。
時間を見つけて、少しずつだが、生身のヨシザカを立ち上らせたい。
かずま