昔から決められた旅というのが嫌いだ。
泊まる場所や行き先が決まってしまうと、それだけで不自由な気がしてくる。
旅の目的や魅力が半減し、何のために旅に出るのかわからなくなる。
反対に何も決めずに始まる旅はどこか心がワクワクする。
一見行き当たりばったりのようだが、(そして実際そうだが、)私の性分にはすごく合っている。
塵芥になり、風に吹かれて東から西へ、南から北へ自由に動く。
その度に身体が反応し、血がびくびく動いて、皮膚感覚がどんどん上がっていく。
この感じはたまらない。
翻って、人生も旅と似ている。
私は決められた人生というのが嫌いだ。
いつもそこから逸脱し、別の所へ行くことばかり考えている。
わかってしまったことを繰り返すことに何の意味も感じない。
たとえ失敗しても、未知の世界に乗り出す方が心がワクワクする。
危険でも、人は愚かと言おうとも、その方が自分らしいし、それしかできない。
これまで愚かな人生を生きてきた。
だから、これからもずっと愚かでありたい。
かずま